恥ずかしかった話

−ずいぶんジメジメしているなぁ−

これが登山道に足を踏み入れた時の実感だった。

 福島県の吾妻山山域に浄土平があります。ここは近くに吾妻小富士があり,大きなトイレ,駐車場などがあるので,観光客が大勢集まってくるところです。

 この浄土平から少し登ると鎌沼があり,その周りを木道が整備され一周できます。右周りで行って,右に外れるとチョットがんばって一切経山の山頂で,左周りで行って左に外れると東吾妻山山頂に登れます。

 鎌沼周辺は格好のハイキングコースですが,浄土平からの登り口が結構急なので,観光客はほとんど居なく静かな雰囲気が楽しめます。

 このハイキングコースの木道を一番奥まで行くと姥ヶ原で,谷地平へと登山道が続いています。入り口周辺は笹が鬱そうと茂っているし,登山道もジメジメしていて,入っていくのにチョット勇気がいります。私の場合。...(^_^;

周辺地図はこんな具合です。

 その日,一切経山山頂で「牛肉,エリンギきのこ,長ネギの焼き肉タレ炒め」を食べるために山頂まで行きました。(この取り合わせは結構おいしくていけますよ)
 腹も膨らみこのままでは帰るには物足りないので,鎌沼を半周し谷地平登山道を覗いてみることにしました。

 登山道はしばらくはどんどん下っていきます。そこは,ほとんど光が届かなく,登山道はぬかるみ,木の根が至るところ出ていて実に歩きにくいところでした。

 熊どころか今にも「もののけ」が出そうな雰囲気です。
(^_^;

 野鳥探見隊長の私は,冷静な分析をし副隊長兼妻に伝えました。
「だいぶん下ってきたなぁ,登り返しだし,時間も遅いし,そろそろ戻ろう」
 副隊長は冷ややかな目で私を見つめ黙って頷きました。その目は意気地なしと言っているようですが,私はいっこうに意に介さない振りをしています。(この場をトットと離れたいから)

 浄土平の木道が見えて登山道入り口周辺まで来たときには,「やれやれ,もう安心だ」と気を抜いて完全に油断していました。

その時です。

笹藪の中がガサガサとして,黒いものが「ガヴァーッ」と立ちあがり,一瞬身体が凍りつきました。
「クマだぁっ!ンッ?ナンダ?,人間か。ビックリしたぁ。」
そこには中年の女性が立ち上がってジッとこちらを見ています。
人間と分かり正直ホッとした気持ちでした。

しかし,それもつかの間。周辺の笹藪から次々と人間が立ち上がるではありませんか。ポコポコとまるで,モグラたたきのモグラのように。

10人位は居たでしょうか。そして,みんなでジッとこちらを見ているのです。
その顔は「あんた,何でこんなところを歩いているんだ?」と言わんばかりです。

私たち夫婦は,笹藪の中から10人もの人間にジーッと見つめられ,恥ずかしさのあまり思わずうつむいて登山道を歩いてしまいました。

あとから振り返って本当に腹が立ちました。
「そんなところでジッとこっちを見つめるなッ!」ってね。ンッ?怒るピント外してるか?
浄土平からここまで1時間チョットなのにねぇ。
団体リーダーしっかりして欲しいなぁ。恥ずかしいよ!ホント!

ところで「ここの登山道がジメジメしているのは,あの人達の・・・。まさかね〜ぇ。」

参考までにここのサイトを覗いてみてください。
こちらをクリックしてください。
→ココです。

 

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